一見正常でも“静かに進行するリスク”
現在稼働中のDrupalサイトが一見問題なく動いていても、それが安全とは限りません。
期限切れのDrupalでは、以下のようなリスクが水面下で進行しています。
サポート終了により脆弱性が修正されない状態に
→ 攻撃にさらされても無防備で、外部システム連携が多いほど情報漏洩リスクが拡大
モジュール更新の打ち切りと非互換化の加速
→ マーケティング、製品データ管理、SEO、セキュリティなど重要領域で突然の機能停止が起こり得る
サーバー側の更新による強制エラー化
→ PHPやMySQLが自動更新され、昨日まで動いていたサイトが急に「真っ白」「ログイン不可」になる事例が増加
こうした問題は“表面化していないだけ”であり、気付いた時にはもう遅いケースも少なくありません。
よくある失敗事例
これらは他社ベンダー様で構築されたサイトの保守・メンテナンスに関して実際に弊社に寄せられたご相談の一例です。
失敗例1:計画不足により予期せぬタイミングでの緊急対応
ある製造業の企業では、Drupal 9を使い続けていたものの「特に問題がないから」とアップデートを後回しにしていました。
しかしセキュリティ監査の際に「既にサポート終了しているバージョンを使っている」と指摘され、急遽アップデート対応を迫られることに。
事前に計画していなかったため、社内調整や予算確保が間に合わず、結果的に緊急対応として高額の外注費用が発生しました。
「問題なく動いている=安全」ではないことを痛感する典型例です。
失敗例2:外部システムとの連携が止まり業務がストップ
あるBtoBサイトではDrupalと在庫管理システムを連携していました。Drupal自体のアップデートは問題なく完了したものの、外部APIとの互換性が崩れたことで在庫情報の更新が止まってしまいました。
その結果、商品情報の更新が反映されず、営業担当やコールセンターでの別途サポート業務が発生。
原因が分かるまで数日間業務が混乱し、社内外の信頼を大きく損なうこととなったようです。
その後、サポート体制の見直しのため弊社にご相談をいただきました。
失敗例3:インフラ側の更新で突然エラー化
別の企業では、Drupal自体は旧バージョンのまま利用していましたが、サーバー会社側でPHPが自動的に8.1に更新されてしまいました。
その結果、サイトが真っ白になり管理画面にも入れず、復旧に丸2日かかったといいます。
このように、Drupal本体を触っていなくても、インフラ側のアップデートによって突然動作不能に陥ることがあります。特にクラウド環境やレンタルサーバーでは「強制的な更新」が避けられないため、放置は非常に危険です。
失敗例4:長期にわたるアップデート放置による工数増大と予算超過
長期間アップデートを放置していた企業では、気づいたときには複数バージョンを飛ばして一気に対応しなければならない状況になっていました。
その結果、Drupal本体だけでなくPHPやデータベースなどのミドルウェアも段階的にアップデートする必要が生じ、想定以上の作業が発生。
非対応モジュールの代替検討やカスタマイズコードの大幅修正も重なり、当初の想定をはるかに超える工数とコストが発生してしまいました。
結果として、経営層への追加予算説明が必要となり、担当部門の評価にも影響。
「アップデートを先送りし続けたこと」が予算超過の直接的な原因となった典型例です。
まとめ
Drupalのアップデートは「バージョンを上げるだけ」では済みません。
セキュリティ・外部システム・インフラ・コスト…どれか一つでも見落とせば、サイト運用そのものが揺らぐリスクがあります。
アクレットではこれまで数多くのDrupalサイトをアップデートしてきた実績をもとに、
・現状診断によるリスクの洗い出し
・無理のない移行計画の立案
・本番リリースまでの伴走サポート
をワンストップでご提供しています。
「まだ大丈夫」という油断が最大のリスクです。
Drupal 11への移行に不安を感じている方は、ぜひ一度アクレットにご相談ください。